集電盤内が水浸し。このまま放置すると…
先日、4件の低圧発電所の竣工点検を実施して参りました。このうち1発電所で不具合がありましたので紹介します。
タイトルにもあるように、交流集電盤内に結露が発生して水浸しになっておりました。


よく見てみると、水抜き穴に設置されているはずのキャップがありません。コーキング処理は適切に行われていたため、水抜きキャップがないことにより、結露が発生して水浸しになったものと考えられます。ちなみにですが、点検に入る数日前から雨が続いており、点検当日の朝は濃霧注意報が発令される程の霧が発生していました。隣接区画の竣工点検も行いましたが、こちらは水抜きキャップが設置されており、結露は発生していなかったことから水抜きキャップがないことにより発生した事象だと推測しました。
水抜きキャップは以下のような目的で設置されているものです。
●盤内外の温度差が減少し、結露による水溜まりを防止する。
●盤は密閉度が高いため、キャップを付けることで盤内外の気圧差が軽減でき、水や埃の侵入を防ぐ。
●万が一、盤内に水が入った場合に排水する。

過去にも盤内が浸水していた発電所を見たことがあります。この発電所は連系後数年間に渡り点検に入っておらず、点検に入った時には盤内の金属部分に白錆が発生しておりました。また、この錆の影響か絶縁抵抗値が規定値(0.2MΩ)は超えているものの、隣接する他区画の絶縁抵抗測定が100MΩ以上あるのに対し、0.3MΩ程度まで低下しておりました。この発電所では集電盤を丸っと交換する工事を実施されました。


今回の竣工点検で見つけた不具合に関してはお客様にご報告をして、水抜きキャップの設置をご提案しました。上記のように錆が発生する前に防ぐことが出来たのは、良かったと思います。
もちろん!集電盤内を清掃して水気がなくなるまで乾燥させた後、現場を後にしました。

